高校3年生の春、初めて購入した車は当時非常に珍しかった改造車でした。メディアからの取材があり、全国紙に掲載されたことで、一躍有名になりました。

高校卒業後は自衛隊に入隊しましたが、次第に車に携わる仕事がしたいという気持ちが強くなり、除隊後に自動車板金塗装の道へ進みました。その後、2年間の業界経験を経て、25歳の時（平成14年11月）にアウトクラスカーズ株式会社を創業しました。

若さゆえに人材を募集してもベテランの採用が難しく、人材採用には苦戦しました。そのため、会社の実績を伸ばし、規模を大きくすることが唯一の解決策だと考え、日々仕事に励みました。平成19年には同業者と差別化を図るためにジムニー専門店へ業態変更し、それに伴い客層が大幅に広がりました。また、平成20年にはスズキ副代理店、平成22年には最年少で運輸局指定民間車検工場にも認定されました。

これらの実績により、ベテラン整備士の採用がしやすい環境が整いました。若い年齢での創業に際してさまざまな壁に直面し苦労しましたが、それが今では大きな財産となっています。ジムニー専門店にしたことや、自社開発したパーツの大量生産による販売コストの削減が、多くのヒット商品を生み出す要因となりました。また、私自身がジムニーダートレース（JIMNY SUPER TRIAL CHAMPIONSHIP）に参加しシリーズチャンピオンになったことや、モーターショー「東京オートサロン」に出展し、全国の業界誌やYouTubeなどで取り上げられたことで、大きな広告宣伝効果がありました。

その結果、全国からの問い合わせが殺到し、令和2年にはスズキ新車販売で小型車部門全国最優秀賞、軽自動車部門四国ブロック賞を受賞しました。また、スズキゴールドランク店として徳島県内では1位となりました。

現在、本社敷地を拡張しており、自分の目が行き届く規模で別の場所にも用品在庫を管理できる大型倉庫を計画しています。板金塗装の設備を充実させ、カスタムや古い車両のレストア業務に注力していきたいと考えています。

また、YouTubeを通じて日本百名山の一つである徳島県のシンボル「剣山」をPRし、4輪駆動の魅力を世界に発信していく予定です。

経営面で大切にしているのは「人」です。お客様を第一に考え、車好きのスタッフを多く集めて若い世代に技術を継承しながら仕事の楽しさを共有し、私自身も含め社員と共に成長していきたいと思っています。

さらに「地域貢献」も重要視しています。昨年は徳島市民病院にマスク・フェイスシールドを、地元中学校にはミストファン10機を寄贈するなど、利益の一部を還元することも地元企業としての大切な役割と考えています。こうした活動を継続することが企業の成長にもつながると信じています。